私共も含め、自分たちの業務を熱く語り始めると、どんどん内容が深くなる一方、専門用語や業界用語が増していき、他業界の方や一般の方にとって分かりづらいサイトになっていきがちです。ともすると、文章自体が硬くなり、業界用語以外の部分でさえ難しい文章になってしまうことさえ起こりえます。文章のみならず、図解や画像でさえ、何を伝えたいのか、あるいはどんな特徴があるのかさえ、ボケてしまいかねません。
「小学校五年生理論」とは
「業界用語は業界外の人には伝わりづらい」という話をしながら、いきなりWeb業界用語です。「小学校五年生理論」とは、その名前とこの文脈から大方想像していただけるとおり、「小学校五年生にでも理解できるように文章を作り、ページを構成する」という意味で、Webサイト制作においては鉄則とも言うべきセオリーです。
「小学校五年生理論」不要説?
もちろん、マニアだけを集めて自分たちにしか理解できないような領域で勝手に盛り上がりたい、と言うなら話は別です。が、ここでは一般的に企業や団体が商品やサービス、活動の内容や特徴を広く伝え、より多くの個人や企業、団体に動き出し、集まってもらいたいがための広報活動としてお話ししています。
「ウチの商品を発注してくる人は、この業界が分かっている関連業界内の発注担当か経営者自身だから、そんな必要はない」という考え方もあるでしょう。
しかし、先代の跡を継ぐことになった、などの理由で別業界から来られた経営者もおられるでしょうし、全く違う畑の企業様が御社の商品やサービスを思いもよらない形でご利用されたいとおっしゃるかも知れません。
もしかしたら、御社のサイトを見た小学五年生が、大人になったらこの会社に入りたい、と10年先の自分の将来を描くかも知れないのです。
表現をわかりやすくするだけで、業界の詳しいことは分からないけれど決裁権は持っている、発言力が強い、などの事実上のキーマンの心を鷲掴みにするかも知れません。
そして同時に舞台裏では、御社のサイトを制作しているWeb制作会社のコピーライターやデザイナー自身が、内容を小学校五年生に理解させるために何度も何度もかみ砕いていく内に、御社の特徴や商品、サービスをより深く理解することにもなるのです。